顧問弁護士(法律顧問)が日々接するテーマをまとめています。なお、法律問題は、事例ごとに考慮しなければならないことが異なるため、一般論だけを押さえても、最善の問題解決に結びつかないことが多々あります。特にこのブログで紹介することの多い労務問題(残業代請求、サービス残業など)は、これらの傾向が顕著です。そして、当ブログにおいて公開する情報は、対価を得ることなくメモ的な走り書きによるため、(ある程度気をつけるようにしていますが)不完全な記述や誤植が含まれている可能性があり、また、書いた当時は最新の情報であっても現在では情報として古くなっている可能性もあります。実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、必ず専門家(顧問弁護士など)に個別にご相談いただくことを強くお勧めします。
今回のテーマは、貸金業法についてです。
まず、貸金業法の対象となる「貸金業者」とは、どんな業者でしょうか。
答えは、お金を貸す業務を行っており、財務局又は都道府県に登録をしている業者のことを、「貸金業者」といいます。具体的には、消費者金融、クレジットカード会社などが貸金業者です。銀行や、信用金庫、信用組合、労働金庫なども、様々な融資を行っていますが、これらは「貸金業者」ではありません。
また、クレジットカードの利用については、以下のように分けて理解する必要があります。
まず、クレジットカードで現金を借りる場合(キャッシング)は、クレジットカード会社は、「貸金業者」として「貸金業法」に基づき、金銭の貸付けを行います。したがって、キャッシング取引には、「貸金業法」が適用されます。
次に、クレジットカードで商品やサービスを購入する場合(ショッピング)は、「貸金業法」は適用されません(リボ払い、分割払い、ボーナス払いには、別途「割賦販売法」が適用されます。)。
他方、いわゆるヤミ金融は、貸金業法に基づく登録を受けずに、違法に貸金業を営む業者です。登録を受けた「貸金業者」ではありません。ヤミ金融の中には、違法な金利での貸付けを行ったり、借り手を精神的に追い詰めるような過剰な取立てを行うものもありますから、絶対にヤミ金融からお金を借りてはいけません。
次に、総量規制について説明します。
総量規制とは、借りることのできる額の総額に制限を設ける、新しい規制のことです。この新しい規制は、平成22年6月18日から実施されています。
具体的には、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合、新規の借入れをすることができなくなります。ただし、すでに、年収の3分の1を超える借入残高があるからといって、その超えている部分についてすぐに返済を求められるわけではありません。
住宅ローンや自動車ローンは、総量規制の適用除外となっています。したがって、住宅ローンや自動車ローンがあるため、借入残高が年収の3分の1を超えていたとしても、総量規制には抵触しません。
なお、住宅ローンや自動車ローンのうち、貸し手が銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協等の金融機関である場合、そもそも、貸金業法の適用がある貸付けではないため、総量規制は適用されません。
急に借入れができなくなり生活が苦しくなったときには、貸金業法上、貸金業者は、借入れ、返済に関する相談又は助言などの支援を実施することができる団体を紹介するよう努めることとなっています。また、現在の借入れを借り換えることなどにより、月々の返済負担が緩和される場合もあります。一方、返済の見込みが立たないのに、新たな借入れを行うことは、多重債務に陥る可能性があります。そのような場合には、弁護士にご相談ください。
ご不明な点は、顧問弁護士(法律顧問)にご相談ください。また、借金返済の問題など法律問題でお悩みがある方も、気軽に弁護士にご相談ください。
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