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残業代請求など労務問題18件を扱う顧問弁護士(法律顧問)

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残業代請求

今日は、残業手当の請求についての裁判例を紹介しています(つづき)。

5 常駐警備員が学校職員等から仕様書に記載されていない仕事を依頼され、これを引き受けていた経緯は前認定のとおりであり、右依頼を警備員に対する指揮命令ということはできない。警備員に警備業務日誌や連絡ノートを記載させていたことが警備員に対する管理とはいえないことも前認定のとおりであり、そのほかに被告府又は学校側が警備員を指揮監督していたことを窺わせる事実は認められない。
6 他方、警備員の学校内での仕事を実際に監視監督する者はおらず、夜間学校に居るのは警備員のみであること、近畿保安警備が警備員の募集採用、配置を行い、組合との間で賃金等労働条件を決定していたこと、警備に必要な器具及び設備については近畿保安警備の負担であったことも前認定のとおりである。
7 以上検討のとおり、被告府と原告ら間に使用従属関係が存在したことを推認する事実は認められず、黙示という形であっても両者間に雇用契約の合意が成立していることを推認する事実の存在も認められない。
8 したがって、原告らの前記使用従属関係が存することを前定とする被告府に対する賃金請求はその余の点について判断するまでもなく失当である。
四 原告らは被告府に対し、不当利得返還請求権に基づき時間外労働(残業)に対する賃金相当額の支払を求めるので検討する。
1 大阪サービスセンターは、昭和四二年度においては指名競争入札により、同四三年度から同四七年度までは随意契約により、被告府から本件警備業務の委託を受け、同四三年度から同四七年度までは、近畿保安警備が右大阪サービスセンターの下請として本件警備業務を行っていたこと、昭和四八年度の指名競争入札は近畿保安警備が落札したため、被告府は同社に本件警備業務を委託したこと、昭和四九年度以降被告府は随意契約により近畿保安警備と本件委託契約を締結したこと、近畿保安警備は本件委託契約に基づき原告らを含む同社の従業員を本件警備業務に従事させたこと、被告府は、年間物価上昇率や三公社四現業の賃上げ率等を勘案して各年度の本件契約金を定め、その範囲内で近畿保安警備と本件委託契約を締結していたことは前認定のとおりである。
2 したがって、近畿保安警備に雇用された原告らが被告府の施設である府立高校等の警備を行ったことにより被告府が利得を得たとしても、その利得は、昭和四三年から同四七年度においては、被告府と大阪サービスセンター間の委託契約並びに同社と近畿保安警備間の契約に基づくものであり、同四八年度以降においては、被告府と近畿保安警備の間の本件委託契約に基づくものであるから、法律上の原因に基づくものである。
3 原告らは、本件委託契約は近畿保安警備にその従業員との間において時間外労働(残業)に対する賃金の支払ができないという労働基準法違反の雇用契約を締結させるものであり、本件委託契約は労働基準法に違反する不当なものであるから、被告府の利得は法律上の原因を欠く旨主張するが、前認定のとおり、本件契約金額は、昭和四七年度は随意契約により、昭和四八年度は指名競争入札により、昭和四九年度からは前年度の契約金額を基にして決定されたものであり、仮に契約金額が低価なため近畿保安警備に赤字が生じ原告ら従業員に対する賃金の支払に支障が生じたとしても、同社は右契約金額を自己の判断と責任によって受入れたものであるから、そのこと故に本件委託契約が無効となると解することはできないので、原告らの右主張は失当である。
4 以上のとおり、原告らの被告府に対する不当利得返還請求権に基づく請求は、その余の点について判断するまでもなく失当である。
五 原告らは、被告国に対し国家賠償法一条一項に基づき損害賠償請求をするので検討する。
 法四一条三号は、当該労働が監視又は断続的労働に該当するとの要件を備えた場合、行政官庁の許可により法第四章及び第六章の労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用を除外するものであるが、当該労働が右要件を満たさないにもかかわらず行政官庁の許可がなされた場合には、右諸規定の適用は除外されないと解される。原告らは、本件許可処分は右要件を欠くから無効であり、かつ、長期間取り消されなかったとして、被告国に対し国家賠償法に基づき損害賠償を請求しているところ、原告らの労働実態が監視又は断続的労働に該当しない場合には、本件許可処分の存在にもかかわらず、原告らは近畿保安警備に対し時間外労働(残業)に対する賃金請求権を有するものであるから、原告らは本件許可処分によって直ちに時間外労働(残業)に対する賃金相当の損害を蒙ったとはいえない。もっとも前認定のとおり、近畿保安警備は昭和五九年八月七日破産宣告を受け、同六〇年七月二三日破産手続廃止(残余財産なし)により消滅したため、原告らの同社に対する請求権の行使は不可能となり、原告らは右賃金相当の損害を蒙ったというのであるが、同社の破産及び破産手続廃止は本件許可処分と何ら関係のない出来事であるし、本件許可処分がなければ、原告らにおいて同社に対し右時間外労働(残業)に対する賃金を請求し、その支払を受けえたという事情も認められないので、本件許可処分と原告らの右損害との間には相当因果関係が存するとは認められない。したがってその余の点について判断するまでもなく,原告らの被告国に対する請求は失当である。
なお、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談交渉刑事事件多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

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