今日は、
残業手当の請求についての裁判例を紹介しています(つづき)。
7 よって、原告らは、被告府に対し使用者に対する時間外労働(残業)の賃金請求権又は不当利得返還請求権に基づき、被告国に対し国家賠償法一条による損害賠償請求権に基づき、いずれも別紙請求債権目録中の「時間外賃金請求額」欄記載の金員及びこれに対する弁済期の後、あるいは訴状又は訴の拡張の申立書の送達の翌日である昭和五三年五月一二日から(原告宮脇久太郎の分については内金一四三万四二九九円について同日から、内金一万〇三八四円について昭和六〇年一〇月四日から)支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
二 請求原因に対る認否及び反論
(被告府)
1 請求原因1(一)及び(二)の事実は認める。
2(一)請求原因2(一)の事実のうち、原告らの時間外労働(残業)の時間数は知らず、その余は認める。
(二)同(二)(1)ないし(3)の事実は知らない。
(三)同(三)(1)、(2)の事実は知らない。
(四)同(四)の事実は否認する。
3(一)請求原因3(一)の事実は認める。
(二)同(二)のうち、原告らの労働が法四一条三号の監視又は断続的労働に該当するか否かは知らない。
4 請求原因4冒頭の主張は争う。
(一)同(一)の事実は否認する。本件契約金は総額で決められており、その個々の内容を明示又は限定しておらず,本件委託契約は警備員の給料額を決定するものではない。
(二)(1)同(二)(1)の事実のうち、本件委託契約には仕様書が添付され、同仕様書は常駐警備の方法、時間、警備遂行内容を定めたものであることは認めるが、仕様書が原告らの労務提供に対する指示命令であったことは否認する。仕様書に警備の方法や時間等を定めて委託することは、警備業務の委託として当然のことである。
(2)同(二)(2)の事実のうち、被告府が原告らの人事を支配していたことは否認し、その余は認める。警備を依頼するにあたっては、事柄の性質上委託者において、警備員の資質に関心をもち、警備員としてふさわしくない事実が認められた者についてその指導や交替を求めることは当然であり、決して人事を支配したことにはならない。新谷は私用で学校の電話を使い市外電話をして多額の電話料を学校に負担させ、これを注意しても止めなかったから、同人の交替を求めたものである。
(3)同(二)(4)の事実は否認する。被告府は原告ら組合員と話合の機会をもち、要望を聞くことはあったが、団体交渉をしたものではない。
(三)同(三)の事実のうち、原告らは府立高校等において労務を提供し、実際には仕様書に記載された以外の業務も行っていたことがあることは認めるが、その余は否認する。学校管理者のいないときに警備を行う必要上、学校側から警備員に指示連絡をすることはあったが、これをもって警備員を指揮命令したことにはならない。また、警備員と学校教職員とで親しい人間関係ができ、教職員がその人間関係に基づいて警備員にものを頼むことがあったが、これをもって警備員を支配したとはいえない。
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